挨拶・マナー・食事あれこれ

ウズベキスタンでは、日本人僕にとっては意外なことがタブーになっていたり、「あ、そこは日本人僕と同じ感覚なのね」というマナーがあったりします。今回はそういった日常生活のマナーについて雑感をぶつけてみます。
(都市部と地方でまたいろいろ違うんだと思いますが。)


ジェスチャー

挨拶
男性同士がその日初めてあった際、必ずと言っていいほど握手をします。僕も最近やっと慣れてきました。年上の人に対して挨拶をするときは、握手をしながら左手を胸に添えています。別れの挨拶もだいたい同じで、年上にはやはり左手を胸に添えながら挨拶しています。握手は右手です。多分日本でも大概右手で握手をするのではないでしょうか。
握手は大事

仲のいい男性同士だと、まず腕相撲の形で勢いよく音を立てて握手、ついで普通の握手の形に握り変える、というのをよくやっています。ラッパーがよくやってそうなアレ

女性同士の場合は、派手に音を立ててキスをしています。何度も見たので最近は慣れたのですが、初見の際は割と衝撃映像ですね。留学や現地での仕事・生活を考えている女性の方は頑張ってください(?)

舌打ち
これはいろんな事例が紹介されているはずなので今更感もありますが、ウズベキスタンでは舌打ちは特別悪い印象を持つ行為ではないです。例えば、「ノー」の意思表示をする際に使われ、目上の人に対しても同じように使われるそうです。そんなわけで、
日本語教師(日本人)「日本に留学したりしても人前で舌打ちしたらダメですよ。喧嘩になることもあります」
ウズベク人「ええー!!なんで!?」
という光景も何度か見ました。

食事のマナー

ウズベキスタンに限らないと思うのですが、左手で料理を口に運ぶのはマナー違反だそうです。ウズベク語の先生が左手はお尻を拭く手だと言っていました。僕はガンガン右手で拭いています。これは以前語学研修で行ったモロッコでも同じでしたね。

(モロッコでの語学研修中に現地のご家庭にホームステイをしたのですが、一緒に参加していた日本人の左利きの子が、ホストマザーから「左手で食べてはいけません!ここはモロッコなんだからこっちの習慣に従いなさい!」と結構きつめに言われてたのを思い出します。ムスリムの風習として「左手で尻を拭く」というのがあるようです(ウズベク語の先生談)。ただモロッコには尻拭きの水がだいたいのトイレに備え付けられてたけど、ウズベキスタンでは見ませんね。その辺のアバウトさも嫌いじゃない

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どうでもいい話ですが、僕の地元では、以前は左利きは幼い頃に矯正されることになっていて、右手で箸や筆を使えるようにさせられていた、という思い出話を祖父母がよくしてくれていました。理由は教えてもらったはずですが、忘れたのでググってください。祖父は、男が台所に入るな!というタイプの人間で、僕も結構細かいことでよく怒られていましたね。寒くなってきたけど元気だろうか。
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また、食事中にクチャクチャ音を立てるのはダメだそうです。クチャラーはダメというのは共通認識なんですね。

こんなことも
育ちの良さそうな現地の学生と留学初期に一緒に食事をすることがよくあって、あるとき僕がお茶を飲んでいると「音を立ててお茶をすするな!!」と何度も言われました。麺とかお茶をすするのもダメなんだそうです。そのため、それ以来熱いのを我慢してしぶしぶ音を立てずに飲んでいました。

しかし、しばらくたったある日、他のウズベク人が音を立ててお茶をすすっているのを見てしまい、以後自分ルールでお茶はすすってもいいことにしています。そういう臨機応変さは留学生活にとって必要不可欠です(強弁)。


ふと思ったのは、彼らは日本のアニメでラーメンとかそばをすするシーンがあったらやっぱり嫌な顔をするのだろうか、ということです。(というか落語とか結構やばいのでは)
一度ウズベキスタンの劇場で落語の「時そば」を思いっきりやって見てほしいですね。能の公演は劇場でやっていたので、落語も無理ではないはず。リアクションが見たいので、絶対に見に行きます。

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余談ですが、日清が「音彦」なるフォークを開発しているらしいという話をラジオで聞きました。「音彦」は、ヌードルハラスメント(後述)対策に考案されたもので、電動歯ブラシ形状のフォーク「音彦」が麺のすすり音を感知し、スマホに信号を送信。スマホにインストールされたアプリから(つまりスマホから)妨害音が鳴り、見事すすり音を消してくれるそうです。

企画の流れとしては、
東京オリンピックの際に外国人が日本にやってくる
→ヌードルハラスメント(麺をすする音が嫌いな人の近くで音を立ててすすること(?))が起こる可能性が高い
→「音姫」(トイレの対便妨害音)と同じようにすすり音に対して妨害音を出せばいいんじゃないか!
という感じで進んだそうです(ラジオ情報)
(概要→https://store.nissin.com/jp/special/productx/otohiko/index.html)
物好きな皆さんは買ってみるといいんじゃないでしょうか。ちなみに12月15日までに5000個予約注文されたら実際に生産されるそうです。
現時点(12月1日1時)で在庫は232個注文されていました......これは生産無理じゃないか?


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元の話に戻りましょう。
ただ、ウズベク人的にはものが口に入ったまま喋るのはオーケー?みたいで、学生たちと一緒に食事していても結構食べながらガヤガヤやってることもあります。クチャクチャはNGで食べながら喋るのはいいんかい、とは時々思いますね。いや多分ダメっていう人もいるんでしょうね。規範とそれに対する逸脱はいつだってあるさ。


またまた余談ですが、日本語を教えているウズベク人の先生から麺をすする音について、こんな話を聞きました。

以前こちらのインターンシップ先で日本語クラスにネイティブとして参加してくれと言われたときのこと。

この日は、僕が日本語とウズベク語(orロシア語)の違いについて感じたことを何か話してくれと言われていました。そこで、日本人とウズベク人のマナーの違いについて少し話したら、みんな結構食いついてくれました。そのときに、上記の舌打ちや、音を立てて食事をすることについて割と話が弾んだのですが、日本に留学経験のあるウズベク人の先生によると、

「私が日本にいた時、日本人学生にラーメン食いに誘われたから一緒に食べてたんだけど、私が麺を静かに食べているのを見て、他の日本人学生が「シェルザード(仮名)、お前そんなちまちま食べてて、あんまり美味しくないの?ほらすすって食べたら美味しいよほらズゾゾ」ってこれみよがしに食べてたんだよね。いや美味しいけど俺はすするのはできないんだよ、勘弁してくれ......って思ったことがありました笑」

とのことでした。異国での暮らしはお互いなかなか困難が多いですね、という。


最後にちょっとだけ難しい話も。僕が接してきたあるウズベク人によると、食事中は女性がお茶を注ぐのがマナーだそうです。また、同じ大学に留学している日本人の女の子が、大学で知り合った男子学生と食堂で食べているときに、やれ茶が入っていないだのなんだのと言われてむかつくとおっしゃっておりました。そういう気質はあるところにはやっぱりあるものなんだなあと思いました......
日本でもお茶汲みは女性の仕事みたいな雰囲気が残っている職場とかもあるのかもしれないので、ウズベク人だけが、というわけではないのかもしれません。

真面目な話をすると、ウズベキスタンには性別による役割分担がかなりはっきりしている社会があり、それに対して真っ向から異議を唱えている人は、僕はまだあまり見たことがありません。それぞれが様々な思いを抱えているにせよ、一応飲み込んで暮らしているんだろうなあ、というのが僕の印象です。ただ、僕が普段話す相手に男性が多いというのもあり、例えば女性の留学生の視点から見たらまた別の姿が映っているのだろうと思います。
他者を記述する態度としてはあまり良くないと思うのですが、とりあえず現時点で思ったことを書いておきます。


とまあ、思いつくのはこのくらいですが、マナーとタブーに関連する事柄はおそらく知らないだけでまだ大量にあると思うので、今後も気づいたら紹介していきたいと思います。








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